圧巻!グルベローヴァの美声
ベッリーニ作曲<ノルマ>。タイトル・ロールをエディタ・グルベローヴァが歌い、ポリオーネはホセ・クーラ、アダルジーザはエリーナ・ガランチャというスター揃いで、演奏会形式ではありますが、ウィーン国立歌劇場11月16・21・27日、12月1・7・12日の前売りは完売。当日券の立見席しかありません。
ということで、風邪の治りかけではありましたが、11月27日(火)は開演前80分からの立見席発売にあわせてウィーン国立歌劇場へ行きました。前回の<セヴィリアの理髪師>のように、ぎりぎりだと立見席も完売になりますから・・・。
例によって、GALLERIE-LINKSにしたのですが失敗。演奏会形式だと舞台に合唱が並び、高くしたオケピットがステージになるので、LINKSからだとソリストの歌手が見えないのでした。演奏会形式の時は、少し高くてもPARTERREの立見席の方がよさそうです。トロンボーン・セクションは一般的なコンサートでの並びで、上手中央から1番・2番・3番・チムバッソ。残念ながらみなさん存じ上げない方でした。
<ノルマ>を聴くのは初めてだったのに冒頭からお馴染みのメロディーをフルートが・・・。これは「ドイツ3大トロンボーン協奏曲」の異名もある(?)、エルンスト・ザクセ作曲/トロンボーン協奏曲のコーダではないですか! ドイツ物と思っていたザクセのイメージが「コペルニクス的転回」。ドイツ人にとって憧れはイタリアだったわけです。
ケルト人の宗教者であるドルイド教徒の長、オロヴェーゾの歌が終わり、いよいよローマ総督ポリオーネ役のクーラ登場・・・のはずが、前に立っているおじい様が大きすぎてクーラがまったく見えません(涙)。処女であることを義務付けられているドルイドの巫女長ノルマに2人の息子を産ませながら若い巫女アダルジーザに気変わりするという、「いい加減男」の役どころがぴったりのクーラのテノール。どうせなら姿も見たかった。
この調子でグルベローヴァも見えないのかなぁ・・・と心配でしたが、ノルマとアダルジーザは指揮者よりに立ってくれたので、遠景ではありましたが見えました。ただ、ここぞという時に、よほどグルベローヴァのファンなのでしょう、立見席に腰かけている前のおじい様が立ち上がります。姿を見るのはあきらめて、その美声に浸ることにいたしました。
グルベローヴァは1946年スロヴァキアのブラティスラヴァ生まれとあるので、すでに61歳のはずなのに巫女の声がぴったりの透けるコロラトゥーラ。また、その音楽表現の非凡なこと。人間の声に勝る楽器はないと確信しました(「人間の声で歌える楽器」のトロンボーンはその次あたりかしら?)。コロラトゥーラというと、大抵は細い声だったりしますが、グルベローヴァの美声は歌劇場内をうねっていました。
ドルイドの巫女の掟に背いてポリオーネの求愛に応えてしまったことをノルマに相談するアダルジーザ。ノルマとアダルジーザの二重唱。グルベローヴァとガランチャの二重唱は完璧。ガランチャは1976年ラトヴィアのリガ生まれですから若干31歳。彼女の非凡さも良くわかりました。
ノルマは2人の息子をアダルジーザに託し、ローマの陣営に行ってポリオーネの妻となるように告げ、自分はドルイドの神々を裏切った巫女であると言って火刑台へ。それを見たポリオーネは、彼女の崇高な人間性に打たれ、ともに火刑に処せられる。そういうあらすじだからかも知れませんが、グルベローヴァの存在感が大きすぎて、クーラはかすんでいました。
後日談:翌日は、ザクセのトロンボーン協奏曲を1時間さらいました。オプションのコーダの部分は、「何だかラジオ体操第二の音楽みたい!」とカットしていたのですが、イタリア音楽と思い改めることにしました。
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